多裂筋とコアスタビリティ|腰痛改善に必要な知識
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多裂筋とコアスタビリティ|腰痛改善に必要な知識

多裂筋はコアスタビリティの中核を担う深層筋です。腰痛を抱えるクライアントへのピラティス指導において、多裂筋の機能と活性化アプローチを理解することは不可欠です。

PT

RehaNext. 編集部

2026年4月8日

多裂筋(multifidus)とは

多裂筋は脊柱起立筋群の深層に位置する短い筋肉で、隣接する椎骨間を結びます。仙骨から頸椎まで走行しますが、特に腰椎レベルで最も発達しており、腰椎の安定化において中心的な役割を果たします。

多裂筋の機能

  • 腰椎の分節的安定:個々の椎骨間の微細な動きを制御
  • 腰椎伸展・回旋の補助:大きな動きではなく、関節面の圧縮力を高めて安定性を提供
  • 脊柱起立筋との協調:表層の脊柱起立筋が大きな力を発揮する際の土台となる

腰痛と多裂筋の関係

研究によると、腰痛患者では多裂筋の萎縮・活動遅延が確認されています(Hides et al., 1994)。特に急性腰痛後に多裂筋の自然回復が起きにくいことが報告されており、意識的なリハビリが必要です。

腰痛があるクライアントの多くは、多裂筋の代わりに表層の脊柱起立筋や腰方形筋を過剰に使用する代償パターンを示します。

多裂筋の評価

触診

L4〜L5棘突起の外側約1〜2cmを触診します。腹臥位でクライアントに「お腹を引き込まずに腰だけを軽く緊張させてください」と指示し、多裂筋の収縮を確認します。

超音波画像診断

理学療法士の臨床では超音波エコーで多裂筋の厚みを計測することがありますが、ピラティス指導では触診と動作観察が現実的です。

ピラティスによる多裂筋活性化アプローチ

基本:ニュートラルスパインの確立

多裂筋は腰椎ニュートラル位(軽度前弯)で最も効率的に活動します。まずクライアントがニュートラルスパインを認識・保持できるよう指導します。

エクササイズ例

バードドッグ(四つ這い対角線挙上)

多裂筋と腹横筋の共同収縮を促す代表的なエクササイズ。腰椎を動かさずに対側の腕・脚を挙上することで、分節的安定性を訓練します。

ブリッジ

仰臥位から骨盤を持ち上げる動作で、多裂筋・大殿筋・ハムストリングスの協調収縮を促します。腰椎を一椎骨ずつ動かすアーティキュレーションブリッジは特に効果的です。

スワン(腹臥位体幹伸展)

腹臥位から上体を起こす動作で、多裂筋を含む脊柱伸展筋群を強化します。過度な腰椎前弯を避けながら胸椎伸展を引き出すことがポイントです。

まとめ

多裂筋の機能不全は腰痛の主要な要因のひとつです。ピラティス指導では、ニュートラルスパインの確立を前提に、バードドッグ・ブリッジ・スワンなどのエクササイズで多裂筋を段階的に活性化していくアプローチが効果的です。

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