腸腰筋の解剖学とピラティス指導への応用
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腸腰筋の解剖学とピラティス指導への応用

腸腰筋(腸骨筋+大腰筋)はピラティス指導において最も重要な筋肉のひとつです。解剖学的な走行・機能を理解することで、エクササイズ選択と姿勢評価の精度が大幅に向上します。

PT

RehaNext. 編集部

2026年3月25日

腸腰筋とは?

腸腰筋(iliopsoas)は、腸骨筋(iliacus)大腰筋(psoas major)の2つの筋肉が合わさった複合筋です。起始は腸骨筋が腸骨窩、大腰筋がT12〜L4の椎体・横突起で、両者は小転子(lesser trochanter)に停止します。

主な機能

腸腰筋の主な機能は以下の3つです。

  • 股関節屈曲:立脚期から遊脚期への切り替えに関与
  • 体幹の安定:大腰筋は腰椎に直接付着するため、腰椎の前弯維持に貢献
  • 骨盤前傾の制御:短縮すると骨盤前傾・腰椎過前弯を引き起こす

ピラティス指導との関係

腸腰筋が短縮している場合

長時間の座位生活や股関節屈曲位での運動が多い現代人は、腸腰筋が短縮しやすい傾向があります。腸腰筋が短縮すると以下の問題が生じます。

  • 骨盤前傾の増大 → 腰椎前弯の増強
  • 腰痛・股関節前面の詰まり感
  • ハムストリングスへの過負荷
  • 評価方法:トーマステスト

    クライアントを仰臥位にし、片膝を胸に引き寄せた状態で対側の股関節が伸展できるかを確認します。対側の大腿が床から浮く場合、腸腰筋の短縮が疑われます。

    ピラティスエクササイズへの応用

    腸腰筋のストレッチ

    ランジストレッチ(半跪位)が最も効果的です。後ろ足側の腸腰筋をターゲットに、骨盤をニュートラルに保ちながら前方へ体重移動します。

    腸腰筋の強化

    • レッグサークル(リフォーマー):股関節屈曲の求心性・遠心性収縮を繰り返す
    • ハンドレッド:股関節屈曲位を保持することで腸腰筋の等尺性収縮を促す
    • シングルレッグストレッチ:腸腰筋と腹筋群の協調収縮を促進

    まとめ

    腸腰筋の解剖学的理解は、ピラティス指導において姿勢評価・エクササイズ選択・キューイングの質を高める基盤となります。まずはトーマステストでクライアントの腸腰筋の状態を評価し、短縮・弱化のどちらが問題かを判断した上でプログラムを組み立てましょう。

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